おかゆの備忘録

ずぼらママのライフハック

「つわりのメリット」を無理やり5つ挙げてみた

「つわり いつまで」

「つわり 生きるのが辛い」

「つわり 中絶」

 

これは私が妊娠初期に何度も何度も検索した言葉です。

スマホの画面を見るだけでも気持ち悪いし、検索結果が変わることなんてないのに、毎日これらの言葉を入力せずにはいられませんでした。

 

世の中には自分よりつわりが重い人もいる。

自分はまだマシな方だ。

頭では分かっていても、辛くて辛くて仕方ありませんでした。

 

高いお金を払い、不妊治療までしてようやく授かった命なのに。

もはや、なぜ子供が欲しかったのかも思い出せない。

 

もう辞めたい。

中絶したら楽になれる?

でも中絶なんかしたら今まで耐えてきた時間が全て無駄になる。

中絶するぐらいなら死にたい。

一刻も早く死にたい!

そう思っては涙が溢れてきたことを、昨日のことのように思い出します。

 

「つわりはいつか必ず終わる」

そんな言葉は何の励ましにもなりません。

毎日毎日、明日も明後日も、来週も再来週も来月も続くこの苦しみ。

この1分1秒から逃れられるなら、もうなんでもいい。

授かった命を愛おしく思うことなんて、この頃の私にはとてもできませんでした。

 

つわりは経験しなくて済むなら絶対に経験したくない

つわりには個人差があります。

中には「つわりが全くなかった!」なんて幸運な人もいるとか。

私も経験しなくて済むなら、本当に経験したくなかったです。

 

でもそんなことを言ってしまうと、あの辛くて長い“生き地獄”を乗り越えた自分が、あまりにも報われない。

そこで「つわりを経験して良かった」と思えることを無理やり5つ挙げたいと思います。

 

つわりのメリット5つ

1.闘病生活を擬似体験できた

妊娠前の私は大きな病気をしたこともなく、せいぜい風邪やインフルエンザで数日間寝込む程度。

食中毒やお酒の飲み過ぎで嘔吐したこともありますが、半日~1日ほど寝ていれば良くなるようなものばかり。

そんな私は、日頃から健康のありがたみをイマイチ実感できていませんでした。

24時間休みなく、毎日毎日ずっと苦しみ続けることの怖さを、本当の意味で理解していなかったのです。

 

つわりを経験してからは、健康に、普通に生活できることのありがたみが痛いほどよく分かりました。

 

朝起きて「眠いな~、もうちょっと寝ていたいな」と思えること。

誰かに「おはよう」と挨拶できること。

ちょっとコンビニにでかけて欲しいものが買えること。

好きな飲み物をゴクゴク飲めること。

「晩ごはんは何にしようかな?」と考えられること。

シャワーを浴びてさっぱりできること。

 

そんな当たり前だと思っていた日常は、涙が出るほど幸せなことだったのだと気が付きました。

 

誰でも年齢を重ねると、老化や病気によって体の不調も増えてくるものです。

そのときになって「もっと健康に気を遣った生活をしていれば良かった…」と後悔しても遅い。

 

私は若くして、しかも大きな病気をせずに健康のありがたみに気付くことができました。

まるで闘病生活のような苦しいつわりを経験したからこそ、老後のために健康寿命を延ばさねば!と本気で思えます。

そう考えると、つわりはこれからの長い人生において、とても重要な経験だったのではないかと思えてきます。

 

2.「薬に頼らない体調改善」を意識できるようになった

妊娠前の私は、風邪を引いたらとりあえず病院に行けばいい!と考えていました。

経験上、市販の薬よりもお医者さんから処方された薬の方が圧倒的に早く治ることは実感していましたし、「病院に行くこと」は最善・最速の解決策だと思っていたのです。

 

しかし妊娠中、特につわりの時期は、体が辛くても簡単に薬を飲むことができません。

飲むにしても、産院の先生としっかり相談して、胎児への影響を考えながらメリット・デメリットを天秤にかけつつ、慎重に検討していく必要があります。

そして何より、つわりは病気ではないので特効薬が存在しないのです。

 

そんな中、少しでも体をラクにするために自分にできることはないか?

 

バナナがつわりを軽減させると聞けば、気持ち悪くても食べました。

ビタミンB6が効果的と聞けば、毎日サプリを飲みました。

夜がしんどくなるなら、昼間のうちにシャワーを浴びました。

 

正直つわりの時期は、どれも大きな効果を実感することはできませんでしたが、妊娠中期を越えたあたりから少し変わってきました。

 

中期以降は妊娠ホルモンが原因となる「つわり」ではなく、大きくなった子宮に胃が圧迫されることによる「逆流性食道炎」が吐き気をもたらすと言われています。

例に漏れず、中期になってもしばらく吐き続けていた私でしたが、「一気に食べず小分けにして食べる」「食物繊維をとって便秘を改善する」「食後3時間は横にならない」を徹底することで、全く吐かなくなったのです。

 

吐き気さえなくなればこっちのもの。

 

吐き気がなくなる

栄養をとれる

体が元気になる

メンタルが回復する

運動する気が起きる

健康になる

 

…と、薬に頼らなくてもみるみる体調が良くなっていきました。

なんでも医療に頼るのではなく、日頃の食事や生活習慣で健康を維持することがいかに重要か。

 

薬をもらう必要がなくなれば、医療費もかからず経済的ですよね。

何より日々の積み重ねが自分の体をつくっているのだと実感できたことは、とても良い経験になったのではないかと思います。

 

※「逆流性食道炎」の対策についてさらに知りたい方は、こちらもぜひ↓

okayu-bbr.hatenablog.com

 

3.妊娠後期がかなりラクに感じられた

妊娠後期になると、驚くほどマイナートラブルが増えます。

動機、息切れ、貧血、腰痛、むくみ、こむら返り、胸焼け、不眠…。

 

私もこのほとんどを経験しました。

特に夜になると、とにかくお腹がはち切れそうで、重くて痛くて苦しい。

眠りにつくまで、布団の中で唸り続ける毎日…。

 

ところがつわりと比べてみれば、全く辛くなかったのです。

もちろん「後期つわり」と呼ばれる吐き気に悩まされる妊婦さんが少なからずいることも知っていました。

しかし、それは要するに「逆流性食道炎」のこと。

前の項目で触れた「薬に頼らない体調改善」で予防できてしまうので、改善策や特効薬のない初期のつわりと比べれば辛さが全く違うのです。

 

おまけにつわりで体重が激減していたおかげで、後期の体重管理に苦労することもほとんどありません。

恐らくつわりが軽かったであろう妊婦さんたちが「妊娠後期って辛い!」と嘆いているのを他人事と思えるほど、私は妊娠後期がラクに感じられました。

それもこれも、地獄のような初期のつわりを乗り越えたからこそだと思っています。

 

4.女性を尊敬できるようになった

妊娠前の私は、実のところ「女性」という生き物に嫌悪感を抱いていました。

自分も女性なのですが、同族嫌悪とでもいうのでしょうか。

 

就活中は「社会に出て活躍したい」と言っておきながら、結婚した途端「家庭を優先したい」だの「子供の行事に参加したい」だの、一貫性もなくわがままな生き物だなぁ…と思っていたのです。

 

それに比べて男性は、定年まで働き続ける覚悟で仕事を選んでいる。

結婚したら自分が家計の大部分を支えることを前提に、大きな重圧に耐えながらキャリア形成をしている。

女性とは仕事の捉え方が根本的に違っていて、純粋に「男性って大変だなぁ、凄いなぁ」と思っていました。

 

しかし妊娠してつわりを経験してからは、「女性も大変だし、本当に凄い!!」ということに気が付いたのです。

 

よく考えれば、お腹の中で命を育むなんて、成果物の重みが桁外れですよね。

会社で資料を作ったり、プレゼンしたり、売上を上げたり…そんな一般的な会社員の成果物とは次元が全く異なります。

 

さらにつわりや陣痛という、それまで経験したこともない、時には命の危険も伴う苦痛を経てようやく達成される「妊娠・出産」というプロジェクト。

産後も、ほんの少し目を離せば死んでしまう小さな命を、守り・育てるという仕事が待っているのです。

これはある意味、そのへんの管理職や経営者よりも重い責任を背負っていると思いませんか?

 

もちろん男性にも大変なことはたくさんありますが、女性だって女性にしかできない過酷なことがたくさんある。

「世の中のお母さんって本当に凄い」

そう気付けたのは、自分が辛い辛いつわりを経験したからこそだと思っています。

 

5.夫と結婚して本当に良かったと思えた

つわりに理解のない男性と結婚してしまった方は、本当に気の毒だと思います。

 

もちろん誰だって経験のないことを完璧に理解することはできません。

でも隣で妻が苦しんでいるのに、それを理解しようともせず、知識を得ようともせず、自己中心的な生活を続ける男性も世の中にはいるようです。

(「つわり うざい」で検索すると、ひどい男性の意見が出てきます。笑)

 

私の夫は、それはそれは神対応でした。

自分のごはんは言われなくても自分で用意して食べてくれる。

匂いがきついと言われれば、別室で食べたり外で済ませたりしてくれる。

私のごはんも、毎晩食べられそうなものを聞いて仕事終わりに買ってきてくれる。

洗濯や洗い物、ゴミ出し、掃除機がけも率先してやってくれる。

 

つわりが一番ひどかったときは、私が一人になりたくて、大型連休をずっとネットカフェで過ごしてもらったこともありました。

仕事で疲れていて家でゆっくりしたかったはずの夫を、追い出すようなことをするのは本当に心苦しかったです。

でも夫は文句ひとつ言わずに、何かあればすぐに駆け付けられる場所で、ひたすら時間を潰してくれたのです。

本当に何度「ありがとう」と言っても足りないくらい、感謝の気持ちでいっぱいでした。

 

自分が本当に辛いときに寄り添ってもらえた経験は、「この人と結婚して本当に良かった」「これから先、夫が辛いときは私も全力で支えよう」と改めて思わせてくれたのでした。

 

またつわりを経験するときが来たら

正直なところ、つわりを経験してからは2人目の妊娠を積極的に考えることができなくなってしまいました。

しかしこうして「つわりを経験して良かったこと」を絞り出せば、少しでも妊娠へのネガティブなイメージを払拭できるだろうか?

いつかまた妊娠したくなるだろうか?

と、自分への淡い期待を込めて書いてみました。

 

またつわりを経験するときがきたら、本当にとんでもなく辛いと思いますが、一度目の経験を糧に“死に物狂い”でなんとか乗り越えられたらと思います…。